ニチコンの価値創造

生活・産業・社会・環境を支えるニチコン

ニチコングループは、経営理念に基づいて、お客さまや社会から必要とされる価値ある製品の創造と技術革新を通じ、明るい未来社会づくりの実現を目指しています。
1950年にコンデンサの製造を開始し、その後、周辺回路、モジュールへと領域を広げ、現在では「コンデンサ事業」と「NECST事業」を展開しています。
「NECST」はNichicon Energy Control System Technologyの略で、「エネルギーの安定供給と環境保護の両立」を目的に次世代につなぐ新事業との思いを込めて、2010年にプロジェクトから立ち上げた事業です。以来、国家プロジェクトや産学連携で培った加速器電源などの先端技術とモジュールの回路技術をベースに、クリーンエネルギー社会の創造を支えています。
コア技術である幅広い「電気のマネジメント技術」を通じて、ニチコングループは、デジタル社会や産業、便利で健康で安心な暮らしを支え、地球環境保全に貢献し続けます。
経営理念、電気のマネジメント技術、ニチコンの強み、お客様・社会に提供する価値

情報通信機器や
IoTデバイスの機能拡大

情報通信機器やIoTデバイスの機能拡大 リチウムイオン二次電池
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社会課題・背景

太陽光などの自然エネルギーを活用した環境発電(エネルギーハーベスティング)技術の発展で、山間部など電源の確保が難しい場所でもIoT機器を使うことができるようになってきました。そこで、環境発電で得られたエネルギーを無駄なく効率的に活用できる蓄電デバイスが求められています。
同時に、定期交換される一次電池の廃棄を減らすため、環境負荷低減の観点からも二次電池への置き換えが期待されています。

掛ける

ニチコンの技術・ソリューション

小形リチウムイオン二次電池
アルミ電解コンデンサの製造で培った生産技術を生かし小形化を実現した新蓄電デバイス

  • 長寿命 充放電25,000サイクルで80%以上の容量を維持
  • 急速充電・放電可能
  • 低温性能 -30℃でも充放電可能
  • 微弱電流による低レート充電可能
  • 安全性

イコール

ニチコンの価値創造

  • エネルギーハーベスタを利用したIoT機器の電源として活用
  • 公共インフラ監視など、センシングデバイスの電源としてアプローチ

これからのニチコン

ウェアラブル機器や情報通信端末に限らず、スマートホームや災害検知、スマートファクトリー、スマート農業など、さまざまな分野での採用事例を増やしていく方針です。また、自動運転を実現するカーエレクトロニクスの進化にもリチウムイオン二次電池は欠かせません。さらなる社会課題解決に向けて、製品を進化させていきます。

SDGs
Galaxy Note 10とNote 10+のスタイラスペンに搭載
Galaxy Note 10とNote 10+のスタイラスペンに搭載

災害時に電気を供給

災害時に電気を供給 パワームーバー
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社会課題・背景

近年、台風や豪雨、地震など自然災害が多発し、大きな被害をもたらしています。避難所や公共施設、商業施設、オフィス、家庭など、さまざまな場所の停電対策として、小型で持ち運びやすい蓄電システムが求められています。

掛ける

ニチコンの技術・ソリューション

  • ポータブル蓄電システム
    工事が不要な小型低価格蓄電システム
  • 外部給電器「パワー・ムーバー®
    持ち運びやすさ、簡単操作、静音性に優れたV2Lシステム

イコール

ニチコンの価値創造

  • 自治体と連携し、避難所に給電器や蓄電システムを提供
  • 家庭でも再生可能エネルギーの家産家消を目指す

これからのニチコン

ポータブル蓄電システムや外部給電器「パワー・ムーバー®」を地方自治体と連携して避難所に提供したり、BCP対策として企業や商店、事務所、生産現場へ普及させていきます。また、公共・産業用蓄電システムの活用により、太陽光発電や蓄電システム、EV・PHVを核とした電力、交通、情報ネットワークの進化に貢献していきます。

SDGs
停電発生時に外部給電器「パワー・ムーバー®」が活用された様子
停電発生時に外部給電器「パワー・ムーバー®」が活用された様子

高度医療の普及拡大を実現

高度医療の普及拡大を実現
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社会課題・背景

がん治療に貢献する粒子線治療装置は、建屋・装置一式で数百億円と高額かつ既存建屋に収まらない巨大設備であるため、限られた病院にしか導入できませんでした。

掛ける

ニチコンの技術・ソリューション

「SPring-8、SACLA計画」や学術研究用加速器電源で研鑽した実績をベースに以下を展開

  • 粒子線治療装置メーカーやベンチャー企業とのアライアンス体制
  • 新しい粒子線治療方式に対応した加速器電源の開発
  • 加速器電源の小型化・軽量化・低コスト化

イコール

ニチコンの価値創造

  • 小・中規模の病院にまで普及
  • 粒子線治療の次世代システムの開発が活発に
  • 加速器電源の圧倒的シェアを獲得

これからのニチコン

粒子線治療装置は今後、汎用的な治療装置として普及すると予測しています。ニチコンは異なる仕様の20種類の電源を一括して設計・生産できる強みを活かし、粒子線治療装置の心臓部に採用される医療用加速器電源一式を開発。電源性能を向上しつつ、冷却方式を水冷式から空冷式に変更するなどで小形化を図り、治療室床下に設置できるコンパクトな新製品を開発していきます。

SDGs
放射粒子線治療装置(出典:名古屋陽子線治療センター)
放射粒子線治療装置(出典:名古屋陽子線治療センター)

脱炭素社会の実現に貢献

わが国では温室効果ガスの国内排出量を2050年までに実質ゼロにする「2050年カーボンニュートラル」という目標を掲げ、再エネ、自動車・蓄電池、運輸、住宅などを成長分野として力を注いでいます。特に自動車分野では、2030年代半ばをめどに新車販売を電動車のみに転換すべく検討に入っています。また、世界主要各国でもガソリン車販売を禁止する動きは広がっており、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが加速しています。
かねてから自動車分野に注力してきたニチコンは、自動車に欠かせない部品を数多く供給してきました。近年では、電動車の駆動用モーターの基幹部品であるフィルムコンデンサを世界各国の自動車メーカーに供給しています。またEV(電気自動車)、PHV(プラグインハイブリッド車)の電気を家へ給電する「V2H(Vehicle to Home)システム“EVパワー・ステーション®”」や、太陽光発電とも連携しEV・PHVと家をつなぐ「トライブリッド蓄電システム®」でZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及を推進しています。一方、インフラ面では「急速充電器」により、充電スポットの普及率向上を後押しし、持続可能なモビリティ社会の実現を目指しています。ここでは電動車を中心に、脱炭素社会の実現に貢献するニチコン製品の広がりを紹介します。

脱炭素社会の実現に貢献

ニチコンは、革新的技術開発等による温室効果ガス排出削減と災害対策における社会貢献活動が評価され、「令和2年度気候変動アクション環境大臣表彰」を受賞しました。蓄電システムやEV・PHV用の急速充電器など、リーディングカンパニーとして自立型エネルギーシステムの構築に寄与したこと、災害対策支援に貢献したこと、他社と共同で開発した自立型IoT環境センサーシステムが、スマート農業やスマートホームをはじめ、さまざまな分野で活用が期待されることが評価されました。